「ありがとうございます、探偵さんの事は一生忘れません」
新婦である依頼者からそんな感謝の言葉を聞いたとき、誰かの役に立つということが、どれほど大切
なのかを知りました。その当時の私はまだ探偵になって間もない頃で、どうすれば大きく鮮明な証拠
写真が撮れるか、どうすれば効率よく尾行をできるか、技術を磨くことばかり考えていました。
その頃は、調査を成功させるのが最優先で、後のことはあまり考えず、「何の為に調査をするのか」
という、根本的なことを忘れかけていました。探偵が汗を流して足を棒にして調査するのは、ただ上
手に写真を撮影するのが最終的な目標ではなく、その結果、依頼者が幸せになるということが目標の
はずです。
フィリップ・マーロウのような探偵になりたい。
――それが自分の探偵としてのスタートだったと思い出したのです。
あれから年月も経ちましたが、依頼者の方の悩みを解決するだけでなく、逆に依頼者の方から大きなパ
ワーを貰うことができるのも、「探偵」という仕事のおかげです。
これからも、原点を忘れることなく、探偵として、人として成長できるような組織を作っていきたい
と思います。